PerfecTwin ERP Edition 導入事例 オタフクソース株式会社 様

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PerfecTwin ERP Edition 導入事例
オタフクソース
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SAP S/4HANAへの移行を成功に導くテストの自動化。
実データ活用で網羅性を高め、
将来のバージョンアップも見据えたプロセス刷新を実現。

大正11年創業。2022年に100周年を迎えたオタフクソース株式会社様は、お好みソースを始めとした液体調味料をメインプロダクトに、お好み焼き粉や天かすなど幅広い商品展開を通じて、粉もの文化の普及拡大に貢献しておられる老舗企業です。

機械にできることは機械に任せる、という、製造業ならではの風土が培われた同社では、IT分野への積極投資を早期から進められ、基幹業務システムSAPについては2006年のECC6.0リリース時に導入。今回のSAP S/4HANAへのマイグレーションに際しては、本番稼働前のテスト業務の効率化や工数削減を目的に、「PerfecTwin ERP Edition」の導入に踏み切られました。マイグレーションに関わるプロジェクトの課題や、PerfecTwin導入後の効果を、同社IT推進ご担当者様に伺いました。

お話を伺ったご担当者様

岡本 侯子 様
オタフクホールディングス株式会社
執行役員
IT推進部 部長

オタフクソース株式会社 岡本 侯子 様

岩井 基 様
オタフクホールディングス株式会社
IT推進部 システムデザイン課
課長

オタフクソース株式会社 岩井 基 様

谷 喜美子 様
オタフクホールディングス株式会社
IT推進部 システムデザイン課
シニアスタッフ

オタフクソース株式会社 谷 喜美子 様

導入前の課題

SAP S/4HANAへのマイグレーションによる、膨大なテスト工程にかかる工数を削減したい。

導入後の効果

1ヵ月分の本番データでテストを自動化。テストシナリオの工数と漏れを大幅に削減!

御社におけるSAPマイグレーションの背景と課題とは?

限られた時間と人員の中で求められた、テストシナリオ作成の工夫と苦労

今回のSAP S/4HANAへの移行は、2006年のSAP ECC 6.0リリース以来となる、抜本的なシステムの刷新であり、当社では約2年をかけて取り組んできた一大プロジェクトです。
中でも最大の課題は、あらゆる取引パターンを網羅したテストシナリオの作成でした。システム担当者だけでなく、実際にシステムを使うユーザーも交えてテストを実施する必要があり、かなりの人員と時間を投入しました。にもかかわらず、想定外のエラーが発生するたびにテストシナリオの見直しや修正が必要となり、再テストを繰り返すうちに担当者は「またか」と疲弊してしまうことも少なくありませんでした。また、テストで入力したマスタ以外のマスタに不備があっても気づくことができず、テスト後にエラーが発覚するという不安もありました。これらの対応を含め、限られた期間内にテストを完了させることが、大きな負担になっていたのです。
さらに、テストは実際の業務をこなしながら進めるため、本当に必要な部分だけを抜き出して行うしかなく、人が作るテストシナリオではどうしても網羅性に限界がありました。その結果、テストで抜け漏れが発生するリスクも避けられない状況でした。

「PerfecTwin ERP Edition」導入の決め手は?

手作業からの解放と次のSAPバージョンアップに備える未来への投資

オタフクソース株式会社 様

「PerfecTwin ERP Edition」の導入は、SAPユーザーからのご紹介がきっかけでした。このツールは、人が手作業で行っていた伝票生成をシステム側で自動化し、結果を確認できる点が大きな特徴です。これにより本来人がかけていた工数を大幅に削減できるだけでなく、データの不備がある箇所も明確に特定できるため、非常に有効なツールだと判断しました。
背景には、SAP S/4HANAが約7年ごとにバージョンアップを必要とし、実質的には5〜6年という短いサイクルで対応していかなければならないという事情があります。これまで経験したことのない頻度のバージョンアップに備えるためには、どうしても人手や工数の増大が懸念されていました。そうした中でPerfecTwinをご紹介いただき、マイグレーション時のテストや各種作業の負担を軽減できると考えたのが導入の決め手です。
実際にご紹介いただいたのは、ちょうど導入プロジェクトを進めている最中でした。そのため、検討を進めるかどうか悩んだのも事実です。しかし私たちには2027年に次のバージョンアップがすでに決まっており、その先を見据えたときに「今のタイミングならプロジェクト中で確認もしやすい」と判断しました。結果として、この時期に導入を決断することにしたのです。

導入してみての感想は?

1. 初めての自動テストツール導入も、丁寧なサポートでスムーズに

そもそも、PerfecTwinとはどういうものなのか、というイメージすら湧かないところからのスタートでした。これまで自動テストツール自体を使ったことがなく、私たちにとって初めての試みだったので、本当に手探り状態だったのです。しかも、海外の製品ということで、導入をサポートしていただく製品担当者の方との言葉の壁も心配でした。が、日本語が堪能な方がおられたことや、私たちが理解できるまで丁寧に説明していただけたことで、コミュニケーションに問題を感じることもなく、導入への理解を深めることができました。むしろ、外国のスタッフの方が常駐されることで、社内に適度な緊張感が生まれ、刺激になったと感じています。

2. 想定外のエラーも事前に発見、PerfecTwinが支える安心な運用

PerfecTwinで現行システムから取り込んだ実データを新システムに登録し、今回新たに2件の想定外のエラーを事前に発見することができました。そこまで大きなエラーではなかったものの、もし本番で見つかっていたら、システムベンダーさんを含めて、また回収や設定の変更を行ってから実稼働をすることになり、業務に影響が出てしまう状況が発生していたと思います。

3. 実データでの検証がもたらす、確かな安心感と業務効率

PerfecTwinを導入するまでは、システムベンダーさんと協力してテストシナリオを作り上げていました。人手を介してシナリオを設計する以上、「この伝票でこういうケースを確認できるのか」「もう少し別のパターンも盛り込んだ方がいいのではないか」といった議論を繰り返しながら進める必要があり、ひとつのシナリオを作るだけでも多くの検討を要していました。その過程を振り返ると、PerfecTwinで実データを活用して登録・検証できることは、テストシナリオの作成にかけてきた労力が不要になり、大幅な効率化につながると強く感じています。
PerfecTwinの大きな特徴は、現行システムから一定期間のデータをそのまま新システムに移行できる点です。1ヵ月分の実データを取り出し、新しいシステムに自動的に登録できるため、その期間に含まれる取引パターンについては、テストシナリオを個別に作成する必要はありません。特に今回は、同じSAPからSAPへの移行でしたので、実データを直接使えるという強みがありました。もし1ヵ月分のデータを登録し、問題なく処理できると確認されれば、その期間に発生した業務は新システムでも問題なく回せる、という確信が得られます。この「実データで検証できる安心感」は非常に大きいと思います。

PerfecTwin導入の意義と可能性とは?

発想の転換とメンバーの成長につながった、価値ある経験

オタフクソース株式会社 様

今回、これまで使ったことのなかったテスティングツールを新たに導入したことは、従来のやり方や業務に対する考え方そのものを見直すきっかけになりました。これまで通りの方法を繰り返すのではなく、より効率的で新しいやり方へと転換し、業務を変化させていく。その第一歩になったと感じています。また、普段とは異なる取り組みを行ったことで、メンバーにとっても新たな刺激となりました。今まで考えなかった視点に気づいたり、それぞれに考え、学ぶ機会が多く、結果としてメンバー自身の成長にもつながったと思います。こうした変化は、今回の取り組みだけにとどまらず、今後さまざまな場面に派生していく可能性があり、非常に意義のあるプロジェクトになったと考えています。

システムベンダーにもPerfecTwin導入効果を期待

SAP S/4HANA は2027年に次のバージョンアップを予定しています。バージョンアップを進める際にはシステムベンダーのサポートを受けることになりますが、システムベンダーにとってもPerfecTwinを活用する意義は大きいのではないでしょうか。PerfecTwinを用いることでベンダー側の工数削減にもつながり、その結果、プロジェクト全体にかかる導入費用、特にベンダーに支払う費用の圧縮にも結びつく可能性があります。私たちとしても、こうした観点から導入効果を検討していきたいと考えています。

SAPマイグレーションに伴う、今後のIT戦略の展望について

SAP刷新を機に、データ活用と生成AIによる付加価値創造を目指す

当社では、SAPのバージョンアップに合わせてBI基盤の拡充を進めており、データ活用をさらに推進することをまず一つの目標としています。これにより、業務や意思決定に必要なデータを迅速かつ効率的に活用できる体制を整えていきます。
さらに、生成AIや新しい技術の検証・導入も重要な取り組みです。従来、人が考えている仕組みや設定部分も、将来的にはAIがその手前でユーザーの意図を理解し、最適なサジェスチョンをしてくれる環境ができれば、もっと現場の生産性も上がってくることでしょう。データ分析についても、たとえばSAPを含め長年の間に生成された大量のデータから、これまでにない知見を得ることによって、マーケティングや営業分野での付加価値の創造も期待されるところです。
SAPのバージョンアップに伴うデータ活用の強化、生成AIや新技術の導入による業務効率化を通じて、より一層の生産性向上と付加価値の創造を目指してまいります。

導入企業様のご紹介

オタフクソース株式会社 様

  • 事業内容:食酢、調味料、甘酒、発酵調味料など醸造製品の開発・製造・販売
  • URL:https://www.otafuku.co.jp/
  • お話を伺ったご担当部門:オタフクホールディングス株式会社 IT推進部
  • 導入したサービス:PerfecTwin ERP Edition
    URL:https://www.perfectwin.jp/erp-edition/
オタフクソース株式会社 様